(趣旨)

第1条　この訓令は、国営雫石川沿岸農業水利事業によって造成された土地改良施設である煙山ダム(管理事務所、電気施設、通信施設その他の附帯施設を含む。以下「ダム」という。)の維持、操作その他管理について、必要な事項を定めるものとする。

(ダム管理責任者の設置及び業務)

第2条　ダムに、ダム管理責任者(以下「責任者」という。)を置く。

(異例の処理)

第3条　責任者は、この訓令に定めない事項を処理しようとするときは、あらかじめ町長の承認を得なければならない。ただし、非常事態の発生により緊急に措置を要するものについてはこの限りではない。

(満水位)

第4条　ダムの洪水時計画満水位は、標高198.60メートルとし、いかなる場合にあっても水位をこれより上昇させてはならない。

(低水位)

第5条　ダムの低水位は、標高187.10メートルとし、検査、補修その他特に必要とする場合を除き、水位をこれより低下させてはならない。

(洪水調節水位)

第6条　洪水調節水位は、197.00メートルとし、洪水時にあっても計画満水位より上昇させてはならない。

第7条　ダムの水位は、すべて取水施設に取り付けられた水位計によるものとする。

(貯水)

第8条　責任者は、かんがい用水等を保護するため、ダム容量配分計画により原則として毎年5月1日までに貯水をかんがい満水位にするものとする。

(かんがい用水のための利用)

第9条　かんがい用水のための利用は、標高194.00メートルから標高187.10メートルまでの容量、最大670,000立方メートルを利用して行うものとする。

(かんがい期間)

第10条　毎年5月1日から8月31日までをかんがい期間とする。

(かんがい用水の取水)

第11条　責任者は、かんがい期間において、気象、水象及びかんがいの状況を考慮して受益地の必要な水量をダムから取水しなければならない。

(計画取水量)

第12条　かんがい用水のためのダムからの取水量は、5月1日から8月31日まで最大毎秒0.32立方メートルとする。

(放流の制限)

第13条　ダムに貯留された水は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り放流(取水のための放流を除く。)するものとする。

(放流量)

第14条　ダムから放流を行う場合の放流量は、洪水時の調節を行うときを除き、毎秒6.00立方メートルを超えてはならない。

(放流の通知)

第15条　責任者は、ダムから放流することによって下流の水位に著しい変動を生ずると認めるときは、これによって生ずる危害を防止するため、別表第2に定める関係機関に通知するとともに、一般に周知させるための必要な措置をとらなければならない。

(取水ゲートの操作)

第16条　取水ゲートは、取水の必要に応じて開扉により取水するように操作するものとする。

(洪水吐ゲートの操作)

第17条　非洪水期にあっては、かんがい満水位標高194.00メートルより水位が上昇する場合には、洪水吐ゲートで調節するものとする。

(点検及び整備)

第18条　責任者は、堤体の管理及びゲートを操作するために必要な機械及び器具、通信連絡及び観測のために必要な設備、管理のために必要な船舶及び車両並びにこれらの操作のために必要な資材を常に良好な状態に保つための点検及び整備を行い、特にゲート及び予備発電設備については適時試運転を行わなければならない。

(ダム及びその周辺の監視)

第19条　責任者は、ダム及びその周辺について常に監視を行い、その維持及び保全に支障をおよぼす行為の取締り並びに危険防止に努めなければならない。

(洪水警戒体制)

第20条　責任者は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、洪水警戒体制をとらなければならない。

(洪水警戒体制における措置)

第21条　責任者は、前条の規定により洪水警戒体制をとったときは、職員を呼集してそれぞれ担当部署に配置し、次に掲げる措置をとらなければならない。

(洪水警戒体制の解除)

第22条　責任者は、気象及び水象の状況により洪水警戒の必要がなくなったと認めたときは、堤体等の異常の有無を点検し、異常を認めたときは速やかに必要な措置をとり、その後に洪水警戒体制を解除するものとする。

(かんばつ時における措置)

第23条　責任者は、ダムの貯水状況及び長期にわたる降雨量の予報等を勘案して、かんばつのおそれがあると認められたときは、町長に報告し、指示を仰ぐものとする。

(気象及び水象の観測)

第24条　責任者は、気象及び水象について次に掲げる事項を定期的に観測しなければならない。

(ダムの堆砂状況の調査)

第25条　責任者は、毎年低水位時(通常は10月とする。)に1回又は洪水の直後で必要があると認めたときは、ダムの堆砂状況を調査しなければならない。

(堤体の調査)

第26条　責任者は、堤体に設置された測定機器により堤体の変位(沈下、移動量)、漏水等について調査又は観測を行わなければならない。

(管理日誌)

第27条　責任者は、ダム管理日誌を備え、次に掲げる事項について記録しなければならない。

(補則)

第28条　この訓令に定めるもののほか、煙山ダムの維持、操作その他管理に関し必要な事項は、別に定める。